「資産がいくらになったらFIREできるのか」
この見極めは非常に重要です
一度仕事を辞めてしまえば収入は無くなり、自分の資産は基本的に株式市場と生活費に左右されることになります
必要な資金が不足した状態でFIRE生活に突入してしまうと、FIRE卒業(笑)という結果になってしまうし、資金をため続ければいつまで経ってもFIREできません
FIRE後にどの程度の支出が見込まれるのか、資産運用のリスク・リターンをどのように設定するのか、この2点を徹底的に分析してFIRE後の生活に備えていきたいと思います
FIRE後の支出を見積もるにあたり、以下の点を深堀していきます
夫婦2人分の年間生活費
うちは子持ち家庭ですが、まずは夫婦2人の生活にどのくらいお金がかかるのかを考えます
後述の通り、子供はその年齢によって食費も教育費も大きく変動するため、現在の支出から計算するよりも、「●歳の時は〇円の費用が掛かる」と計算するべきだからです
家計簿から帰納的に算出する
生活費がいくらかかるのかを考える時の王道は家計簿をつけることです
昨年度から家計簿をつけ始めましたが、引っ越しなどの特殊な出費と給料から天引きされている家賃を除くと約360万円の出費がありました(子供は昨年度の途中で生まれていますが、ベビーグッズは様々な補助で買っている物が多く出費はさほど多くありません)
ここに家賃を足せば1年間の生活費が出るように見えますが、実際にはそう単純な話ではありません
現在の家計簿には以下の様な仕事をしているからこその出費が含まれており、これらはFIRE後の支出を考えるにあたっては除外されるべき項目だからです
- 自炊をする時間が無いためにコンビニで買っている弁当代
- 会社の飲み会(後輩に奢った分などを含む)
- スーツやワイシャツのクリーニング代
- ストレス解消のための突発的な出費
- 会社の近く(都心)に住んでいることでかかっている高額な家賃
家計簿をつける目的がFIRE後の支出を見極めることにあるのであれば、このような項目を除外できるように家計簿を作っておくことが重要です
一方で、逆に仕事を辞めることでかかってしまう出費も考慮しないといけません
- 国民年金/社会保険料
- ふるさと納税の返礼品で賄っていた生活費
- 仕事をしなくなった時間で行う活動にかかる費用
FIRE後の生活スタイルから演繹的に算出する
家計簿から生活費を計算するやり方は、項目に抜け漏れがなくなるという点で優れています
一方で、FIRE前後で大きく生活スタイルが変わってしまうため、食費などの個別の項目を見た場合にかかる金額が大きくずれてしまう可能性があります
そこで、実際にFIRE後にどのような生活をするのかを具体的にイメージして、そこから必要になる金額を計算する方法もあわせて考えてみます
具体的には、以下の様な事をことを考えます
- 朝・昼・晩の食費はいくらくらいか
- おやつやジュースなどをどのくらいのペースで食べるか
- どのくらいの頻度で髪を切るか
- 普通に生活したらどのくらい日用品を買うことになるか
- 月に何回外食・飲み会に行くか
挙げていくときりがありませんが、実際にFIREした後にどのような暮らしぶりになるのかを考えるのは苦しい作業ではありません。楽しみながらお金のことを考えていけばいいと思います
数年に一度しかかからない出費も忘れない
生活費の計算をしていると、食費や日用品費などの日常的な項目に目が行きがちになり、家具・家電の購入や引っ越しの費用などの低頻度・高額な出費の存在を忘れてしまいます
いくらの家具・家電をどのくらいの頻度で買うのか、どのくらいの頻度で引っ越すのかなどは、不確実性も高く見積もりが難しいです
しかし、一定の仮定をおいて見積もることで、どの程度の支出が見込まれるかを確認することができますし、実際にFIRE生活を始めた後に見積もりからどの程度乖離しているかを確認することで、さらに節約が必要なのか、逆にもっと使っても大丈夫なのかを判断することができるようになります
ここまでの手順を踏まえて、ベースとなる夫婦2人分の生活費を概ね計算することができます
ここで計算した生活費は、FIRE後の家計管理においても予算として使うことができます
子育てにかかる費用
子育てにかかる費用は、金額的に非常に大きく、毎年の変動もあるため個別に計算していきます
少し話がそれますが、FIREと子育ては微妙に相性が悪いように感じます
子育てに対してはかけようと思えば無限にお金をかけられます
実際に私の周りで将来もずっと高収入サラリーマンとして働くことを前提にしている家庭では、幼稚園から私立に入れたり、インターナショナルスクールに通わせたりなど、教育費への投資が大変高額になっているのをよく見ます
子供に対してお金をかけてあげたい気持ちと、FIREするために倹約すべきという気持ちに折り合いをつけ、ちょうどいいバランスのプランを考える必要があります
個人的には、「親が自分に与えてくれた機会と同程度のものを子供に与える」というところをベースにしていきたいと思っています
私自身は最終的に小学校から大学まですべて国公立の学校に通いましたが、高校から私立に行ったり、大学も理系の修士に進んでいた可能性もありました
こういった可能性も織り込んで予算を立てていきたいと思います
立てた予算に対して、近いタイミング(10年以内程度)で発生するものについては現金で対応し、それ以降のタイミングで発生する費用は一定のリターンも織り込みつつ投資で賄う形で資産運用を考えていきます
リスクバッファーをどの程度とるか
生活費と養育・教育費が分かったら、あとは想定されるリターンから逆算される資産額を目標金額とするだけのように見えます
しかし、想定していない支出が発生したり、想定より低い投資リターンになってしまうリスクはあるので、カツカツで予算を立ててしまうと、FIRE生活が破綻してしまいます
リスクに対しては、基本的に①節約する→②余裕資金を持っておく→③働く、という対応が考えられます
ここでは②の余裕資金を持っておくことについて検討していきます
ある程度引き締まった家計の場合、節約で対処できる金額はたかが知れているので、想定外のことが起こった時に余裕資金が無いと、すぐに労働市場へ駆り出されてしまいます
そうならないためにも、ある程度のことまでは対応できるようにいくらかの余裕資金を持っておくことがFIRE生活を守ってくれることになると思います
あまりにも余裕を持たせようとすれば、当然FIREまでの年数が伸びてしまいますが、後々失敗しないためにもいくらかの余裕は必要で、このバランスを取らなければいけません
今後の生活でどういったことが起こり得るのか、その確率はどの程度なのかを考えて、一定以上の確率で起こる事象に対しては余裕資金で対応できるように金額を決めていきたいと思います